CAEソリューション
線形静解析
解析概要
背景 | ドライブプレートは、機械構造の中で重要な役割を果たす部品です。特に、トランスミッションやクラッチシステムにおいて、動力を効率的に伝達するために使用されます。 しかし、ドライブプレートには応力集中が発生しやすい箇所が存在します。この応力集中が原因で部品の破損や疲労が進行することがあります。 そのため、現行のモデルにおける応力分布の把握を行い、破壊限界応力値を超えない範囲で応力集中を低減し、全体の強度を向上させる形状を検討する必要があります。 |
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目的 | ドライブプレートにかけるトルク、油圧によるバルーニングを模擬し、鋼製のドライブプレートモデルの耐久性を検証します。 |
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解析モデル | ドライブプレート(2.2kg) |
材料 | スチール |
荷重 | ①軸パーツ部分に400[N・m]のトルク荷重 ②重力 |
拘束 | ①ドライブプレートと軸パーツをボルト拘束 ②ドライブプレートの中心に固定拘束 ③ドライブプレートに外側の小穴(6か所)に軸方向0.1mmの強制変位拘束 ③ドライブプレートに外側の小穴(6か所)に軸方向0.1mmの強制変位拘束 |

解析結果
フェース接着でシャフトとプレートを接続し最大応力値はクランクシャフトの接着面で219[MPa]となった。
この値は鋼の400N級に対する破断強度400[N/mm²]を下回る結果となり、耐久性としては、問題ないことがわかりました。
しかしながら、図3を参照の通り100MPa以上の応力が穴間に帯状に集中していることがわかりました。

対策
図2、3のような穴間に集中している応力を分散させ、同時に発生応力も低減するような形状の軽量化を検討します。
形状の検討においては、ジェネレーティブデザインによるトポロジー最適化形状の解析を行い、理想の形状作成を行いました。

結論
ジェネレーティブデザインで作成された形状は総質量が2.20Kg→1.73kgと20%軽量化に成功しました。
その後、同条件で線形静解析を実行し、発生応力値が142.004[MPa]と35%低減することができました。
図7にあるように、外径部分と中心のボルト穴パーツをつなぐ形状の節部分に多少の応力集中は見られるが当初の形状と比較して最大応力値が大幅に低減していることがわかります。
