CAEソリューション
有限要素法の数値計算
第4回:変位―ひずみマトリックス[B]
今回は「変位-ひずみマトリックス」について解説します。
変位-ひずみマトリックスとは、要素の形状関数[N]に基づいて変位とひずみの関係を表すマトリックスです。一般的には、[B]マトリックスとも呼ばれます。(ひずみー変位マトリックスと入れ替えて言うこともあります。)
ひずみは変位の座標に関する1階微分になります。変数は、要素内部の座標(x,y)であり、任意位置の変位量 u と v に応じたひずみ {ε} の三成分は以下のような偏微分であらわされます。

εx と εy は、変位量を距離で微分したものです。
γxy は、以下のように計算されます。

式②と③から、γxyは、以下のように式④になります。

文頭に書いたように、変位-ひずみマトリックス [ B ] とは形状関数 [ N ] を距離で微分したものになります。
![形状関数 [ N ] を距離で微分した図](./landingpage/common/imgs/cae_column_henihizumimatrix_004.jpg)
式①’を元に前回のコラムで紹介した以下の形状関数の式⑤を距離で微分すると


ここにある N1 N2 N3 N4は x あるいは y の一次関数なので、マトリックスの成分はすべて定数になります。
以下のように、これらのマトリックスを[B]とすると
![N1 N2 N3 N4は x あるいは y の一次関数をマトリックスを[B]とする](./landingpage/common/imgs/cae_column_henihizumimatrix_007.jpg)
この[B]マトリックスの形状関数Nはそのまま解くことができないため、ヤコビ関数使って解きます。
最終的に、任意位置のひずみ { ε } は節点の変位量 { ue } から以下の式で求められることになります。

今回は上記のように、変位-ひずみマトリックス [ B ] について紹介しました。
次回のコラムは、「応力-ひずみマトリックス [ D ] 」について紹介します。
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