CAEソリューション

有限要素法の数値計算

第3回:形状関数

今回は前回の〈CAEの計算の流れ〉の3ステップに出てきました「形状関数」について解説します。

構造物の変形は有限要素の節点の変形で表され、その節点自体が変位します。
要素内部の任意の点の変位は、要素内節点の変位から内挿補間されて表現されます。その際に使用される補間関数のことを「形状関数」といいます。

今回は、2次元の自然座標系の「形状関数」について、四角形一次要素を使った場合の形状関数の導出方法を説明します。
物理座標系で左図のような配置になっている節点を自然座標系で右図のように変換する「形状関数」を求めます。

形状関数

このとき、物理座標系上で表される任意の点の変位uを

物理座標系上で表される任意の点

とすると、右図の自然座標系では、

右図の自然座標系

を満足しなければならないので、各αは、以下となります。

右図の自然座標系の各α

これらのαを(1)の式に代入すると以下の式になります。

αを(1)の式に代入した式

式(4)をマトリックス表示すると以下になります。

式(4)をマトリックス表示

この式(5)を解いた以下の関数が四角形一次要素の形状関数です。

四角形一次要素の形状関数

今回は、基本となる2次元で説明しましたが、各要素にそれぞれ対応する形状関数があります。
例えば、3次元6面体要素の場合は以下が対応する形状関数になります。

3次元6面体要素の場合は以下が対応する形状関数

次回は、今回説明した形状関数を元に『変位―ひずみマトリックス[B]』の算出方法について説明します。

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